吠える主婦の知らなくても生きていけるコネタ集

トリビアとかマニアックな知識とか読んだ本とか。歴史・遺伝子・心理学ネタ多め。

おすすめ小説『アキレウスの歌』

アキレスさんってさ、みんなの足にもついてるからおなじみだけど、何をした人かって、みんな意外としらないじゃない?

私もね、ギリシャの話にはそれなりに詳しいのよ。なんでかっていうと、学校で習ったから。なんでアメリカの学校でギリシャのことそんなに詳しく習うのって話はまた今度詳しく書きたいんだけど、とにかくね、こんなにギリシャ神話に詳しい私ですが、アキレスさんに対する認識って低かったわ。無敵だったけどかかとやられて負けたことくらい。

映画の「トロイ」も見たんだけど何の印象も残らなくてねえ…ブラピ演じたアキレスが「ヘクターでてこーい」って何やら言ってるのは覚えているような覚えていないような?とにかく印象に残んなかったわぁ~。あの頃オーランド・ブルーム好きだったし。

 

でもね、みんなの足についてるアキレス。切っちゃったことがある人もいるかもしれないアキレス。なんで私の体にアキレスがあるの…知りたくありません?

 

そこでこの本です。『アキレウスの歌』

ニューヨークタイムスベストセラー本です。夢中で読んじゃった。

イリアッドの内容からかなり肉付けされていて、肉部分が多すぎてほとんどファンフィクションレベルなんだけど、素直に読めちゃった。

作者のギリシャ文化に対する造詣が深くて、食生活や暮らしぶり、部屋の様子などが目に浮かんでくるところがこのおもしろさの理由かも。しかも、よくアメリカで作られたギリシャ物などで感じる、「ギリシャ最高ばんざーい」みたいなのも感じられず、必要以上に美化されていない感じも好感。

神々が人間と混在して暮らしている世界観をほとんど違和感なく上手に構築していてとても巧みです。

 

できれば、Wikiなどで、アキレスの話を知らない状態で読み進めた方がおもしろいと思います。

 

この小説ほど肉付けされていなくても、ふつーに、アキレスの話はとてもロマンチックでおもしろいです。作者がいるとはいえ神話に近い昔の物語、語られ方は割とあっさりしているわけですが、「なぜアキレスはその行動をとったのか」と考えると、やっぱりこの小説の通りの物語になると思います。

 

 

あ、ちなみになぜかかとのあたりにアキレスがあるかの説明には一切ありません!(ばーん!)

いや、これは、あのですね、代わりに説明させていただきますと。

アキレスの神話でですね、彼の母が、彼を無敵にするために、ステュクス川に浸したんですけど、その時かかとを持って逆さに浸したんですね。だから体のほかの部分は全部無敵になったんだけど、かかとだけ急所になっちゃって、最期はかかとに矢を受けて死んでしまう、という伝説があるんですよ。

それでかかとの腱をアキレス腱って呼ぶんですけど、

 

作者の説明によるとですね、この伝説は、ギリシャ神話の中でも後の方でできたものだそうで、アキレスの物語が一番詳細に紹介されているイリアッドでは出てこなかったため、採用しなかったんだそうです。

 

 

ちなみに、私は小説を読み始める前に、ジャンルを知りたくない人です。

たとえば、『ゴーン・ガール』とか、ジャンルを知ってしまうと、小説のおもしろさが半減してたと思うんですよね。

開いた物語がこれからミステリーの方向に進むのか、それとも純愛なのか、知らないまま読み進めたいのです。

だからこの情報は一番最後に持ってきたのですが。

同じようにジャンルを知りたくない人は読み飛ばしてください。

 

そして、こっちは和訳がないんですが、英語で小説読む人には同じ作者による『Circe』がおすすめ!こっちもベストセラー本で、『アキレウスの歌』が少年愛の話なのに対して、『Circe』はフェミニスト文学だと思います。

ファンタジー世界でこんなに女の生きる道について考えられる小説は珍しいかも。ちょっと『アバロンの霧』味があります。

 

アキレウスの歌』に興味を持った方はこちらで和訳本があります!

 

断然本が面白いと思いますが、Wikipediaで読んで想像を膨らませてもいいと思います!

なお、『Circe』の方はWikiで読んでもあまりおもしろくないかも。あっちは『アキレウスの歌』に比べて作者の肉付け部分がすべて、っていうか。肉がないとほとんど何も残らない物語だと思います。